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2012年1月 4日 (水)

本年もよろしくお願いします

森は本日より仕事始めです。どうぞ、今年もよろしくお願いいたします。

まずは、休みの間に森に異常が無かったか見回りに行きました。幸い今年は、休みの間に雪もほとんど降らず、枝が折れたり木が倒れたりということはなく、平穏無事な森が広がっていました。

さて、今年は森の中で積極的に手を入れたいと考えている場所があります。

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↑ それはこちら、「ケヤキ広場」です。この写真の区域は、ケヤキ広場の中でも昨年より本格的に手入れを始めた場所で、大量に生えていたケヤキの実生苗を間引いた区域の様子です。これでもまだケヤキの生育密度は高いのですが、今の段階でこれ以上間引くと林床にササや草などが繁茂し、管理が大変になるので、まだしばらくはこれくらいの密度で育成していく予定です。

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↑ 一方、こちらはまだケヤキを間引いていない場所の様子です。草が枯れ、木の葉が落ちた今なら林の中に簡単に入っていけそうに思いますが、夏になると、とてもこの場所には踏み込めません。かなり間引く必要があるところです。

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↑ こちらはケヤキ広場の中でも、先月下刈りをしたばかりのところです。最初の写真(ケヤキを間引いた区域)の隣の場所なのですが、こちらにはケヤキの実生が驚くほど少ないです。ケヤキの種子がこの区域にあまり散布されないのか、微妙な地形や土壌・水分条件でケヤキが生育しにくいのか、原因ははっきりとわかりませんが、この区域だけすっぽりとケヤキがありません。代わりに大量に生育していたのが、先月伐採して写真手前に積んであるヒメコウゾです。ヒメコウゾは1年で驚くほど成長するので、放置しておくと大変なことになります。先月それらを刈ったものの、そのまま放置しておくとまたヒメコウゾに覆われます。さて、この区域はどうしようかなあ?

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↑ ケヤキ広場の手入れは、昨年末から遊林会の「木ままクラブ」の活動日で実施しています。今の作業の中心は、生え放題になっていたタラノキとセンダンの伐採です。この写真の区域は、そうした先駆種の樹木を伐採し終わったところ。林の中にぽっかりと空間ができています。これだけの面積を、タラノキやセンダンの葉が占めていたのですね。ただ、ここも放置しておくとまたササやタラノキに覆われてしまいますので、ここにケヤキを間引く区域から若い苗を移植するなど、積極的な「森づくり」の方法をとる必要があるのかもしれません。

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↑ こちらもタラノキを切り始めている区域。まだ手入れの途中です。冬場でこんなに植物が密生しているのですから、夏になるとどうなるか…とても入れたものではありません。今年はこうした区域に積極的に手を入れ、林をすかせてやる必要があると思います。そうすると、たとえば写真右側のアズキナシの大木の実生たちが、また周辺から生育してくれると思います。

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↑ さらに、こうしたアラカシなどの常緑広葉樹が生育しているところにも手を入れていく必要があります。なかなかたいへんな作業ですが、今年から来年の冬にかけて、ケヤキ広場をすっきりさせていきたいなあというのが今年の目標です。

これまでにも「河辺林通信」などで記したこともありましたが、これまでの遊林会の作業の中心は「木を切って森を守る」でした。この方向性はこれからももちろん有効です。生えすぎた木を切って、林が明るくなったところに自然に生育してきた多くの植物たちのうち、必要な植物だけを残して次の世代の林を育成させる方法です。

その一方で、ケヤキ広場の一部のように、木を切っただけでは望むような植物の生育が見られない区域も出てきました。やはりこうした区域には、これまであまり行わなかった「植栽」という方法によって、次の林を育成していくべき時を迎えているのかもしれません。もちろんその場合でも、この森の原則「持ち込まない、持ち出さない」を基本とし、林内に生育している植物の苗木を移植する方法が主になるものと思います。

では、どのような木を植えるべきなのか。そして、どういう林を育成していくべきなのか?このあたりが、14年活動してきた遊林会でもまだ持っていないビジョンであり、ノウハウなのだと思います。

とりあえず、あせらず、急がず…のんびりと森づくりを進めていきたいと考えています。

ところで、ケヤキ広場では今こんな物がたくさん目につきます。

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↑ ツル性植物たちです。間引きなどを行うことで林内に光が入るようになったため、ここぞとばかりにツル植物たちが元気に育っています。ただ、育成している苗などにからみついていくので、必要なツル植物以外は切ってしまいます。こちらはアオツヅラフジ。今、あちこちでたくさん実をつけています。

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↑ 数は少ないですが、このサルトリイバラもからみつきます。上に「必要なツル植物以外は切る」と書きましたが、これは作業者の独断によるところが大きいです。たとえば私なら、このように美しい実をつけるサルトリイバラは切らずに残すことが多いです。しかし、人によってはその鋭いトゲが邪魔になるためあっさり切る人もいます。どちらが正解とかはありません。その場の様子に応じて、柔軟に対応していくことが大切だと思います。これを、「サルトリイバラは全部残す、アオツヅラフジは全部切る、ヘクソカズラは…」などと決めてしまうことは、里山保全作業の上でうまくないと思います。理想的には、作業する人の多くがその植物を見極め、「ここではこの植物は残しておこう」などと判断できるようになるとともに、その判断が多くの人と共有できるものになることでしょう。が、それはあくまで理想。気楽にできるからこそ、里山保全作業は楽しいのだと思います。

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↑ たとえばケヤキ広場にも多いこのツル植物「サネカズラ」は、その実が美しいとともに、この森では数も少ないため、作業者の多くはこのツルは切らずに残しています。でも、この実が実っていない時期にサネカズラを見分けられる人はそう多くないので、切られてしまうこともあります。それでもいいじゃないか、ということで良いと思うのです。これを、「遊林会は全員がサネカズラを葉っぱだけで見分けられる」などに「レベルアップ」することは、逆に言えば特定のツル植物は全部残し、別の植物は全員が刈ってしまうことになるわけで、なんだかこれはジェノサイドを連想させてしまい、好きではありません。

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↑ そんなことはともかく、サネカズラは今その葉もきれいです。常緑の植物ですが、今妖艶な色を放っています。

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↑ 最後はコナラの幼樹の紅葉。コナラの幼樹は時に真っ赤っかに紅葉しますが、こちらはその途中でしょうか。何とも派手な色合いでした。

年始からいろいろと書きましたが、みなさん今年も「楽しく」森に来てくださいね!

                                         MARU

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