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2010年12月 5日 (日)

単焦点の眼

本日は落ち葉で年賀状を作るというイベントを実施しました。大人向けに企画したイベントですが、今日は付添の子どもも参加してくれました。その子どもたちの作品を見たらその発想の柔軟さや面白さに改めて驚きました。やっぱり子どもってすごいなあ~と思います。このイベントの様子は、他のスタッフが撮影していたので近々ホームページかこのフォトログで紹介されることと思いますのでお楽しみに。

さて、このイベント以外では家族が何組か散策を楽しまれていただけで、今日は晩秋の森らしい静かな雰囲気でした。

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↑ そんな森に今来てくれているのが、冬鳥のジョウビタキです。毎年何組か森に来てくれますが、彼ら(この写真はオスです)にも個性があるようで、しょっちゅうセンターの周りに来てくれる個体もいれば、森の中でしか出会わない個体もいるような気がします。写真のジョウビタキはセンターの周りに来る個体で、今日も窓から5、6メートル先の薪の上にとまってくれたのですかさず撮影しました。

先日の突風で折れた木のうち、歩道に近いところで折れてしまったアラカシをチェーンソーで処理した後、今日は久しぶりに静かな森で静かな雰囲気の写真を撮ってみようと思いながら森を歩きました。そのために、今日は世間で「標準レンズ」と言われる焦点距離50mmのレンズを持っていきました。以下の写真はすべてNikon D700、レンズはAi Nikkor 50mm f/1.2S、ノートリミングです。

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↑ 落ち葉がたくさん積もる晩秋の歩道。静かな森の中にザッ、ザッ、ザッ…と足音が響きます。ISO200、1/250、F8、EV(露出補正)-1.2

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↑ 「モミジの林」ではたくさんのモミジが散りましたが、今年はそのほとんどが樹上で縮れたまま紅葉し、そして落葉しました。だから地面を見ても、きれいなモミジ葉が絨毯のように…とはいきません。それでも落ちた葉の量は大量なので、地面は見事に色づいていました。ISO200、1/80、F8、EV-1.0 この写真、クリックすると大きくなります。

Ai Nikkor 50mm f/1.2Sというレンズは14、5年前に買ったマニュアルフォーカスのレンズです。50mmという焦点距離は標準レンズの代表ですが、価格的にも「標準」なのはレンズの明るさを示す1.2という数字の50mmレンズではなく、1.4という明るさの方です。fの数字が小さいほどレンズが明るいので、1.4のレンズは1.2よりもやや(1/3段分)暗いのですが、そのわずかな明るさの違いで価格は1.2の方が1.4の1.5倍高いです(ややこしい表記でスミマセン…)。今から思えば我ながら見栄で買ったとしか思えないのですが、開放f値1.2のレンズにはやはりそれなりの面白さもあるので、本日最後の2枚はその開放絞りの写真を紹介します。

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↑ こちら開放絞り1.2で撮影したイタヤカエデ。見事だった黄葉もすっかり落葉し、寂しげでしたのでその雰囲気を出すために開放で撮影。絞りを開放で撮影すると、画像の周辺にいくほど光量が低下し暗くなります。そしてピントが合う範囲は非常にせまいので、どこかにピントを合わせたつもりでも全体としてピンぼけというか、薄い膜を被せて撮ったような写真になります。レトロっぽい写真というか、そんな雰囲気がねらいです。ただ、昼間に1.2の絞りで撮影するためにはよほど速いシャッタースピードが必要になるので、この写真はD700のシャッタースピード最高値1/8,000で撮影し、さらに標準の感度ISO200を1段減感してようやく撮影できました。EV-0.7。

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↑ こちらも開放絞り1.2で撮影した散りゆくガマズミの葉。青空や白い壁を撮影すると周辺光量の低下がよく分かりますが、被写体によっては写真のようにそれほど気にならず、むしろ緩やかに周辺の光量が低下していくことで中央に配置した撮りたいものが自然と強調される場合があります。そして背景が大きくぼけて絵の具の色を混ぜたような感じになるところが好きです。ただし、ピント合わせは非常にシビアなのできちんと三脚を使いました。ISO200、1/1,250、F1.2、EV0。この写真、クリックすると大きくなります。

写真のことやレンズのことはまだまだ知らないことがたくさんあります。まあ、プロではないのですから詳しい知識よりも撮りたいものを撮るのが一番です。ただ森でカメラを持って歩くときに面白いな、と思うことは、ズームレンズよりも単焦点レンズを持って歩く方が面白いということです。

たとえば森でも非常に出番の多い接写用のマクロレンズを付けて森を歩くと、眼は自然と接写した時に面白そうな小さな被写体を探すようになります。逆に300mmの望遠レンズをつけて歩くと、風景の中の狭い一場面や野鳥などを探して歩くようになります。50mmのレンズの時には今日のような場面を、35mmならそれより広がり感のある場面を、24mmならさらに広がり感や奥行き感を出したい場面を…というように、何百回(いや、何千回か?)も歩いている森でもいろいろな見方や楽しみ方を見つけられるようになります。ズームだと、便利過ぎてそういう目で森を見ることは難しいかもしれません。

ずいぶん前に、この森で講演をしてもらう講師の先生を、講演に先立って森を見てもらおうと案内していた時、その先生は初めて来訪した森にも関わらず、何百回も森を歩いている私よりも先に(というか、私は気づきもしなかったのですが)、「あそこにキジのメスがいますね」と仰いました。キジのオスならともかくメスは非常に見つけにくいのですが、先生にそう言われてしばらく歩くと、バタバタッ!と本当にメスキジが飛び去っていきました。「なぜわかったのですか?」と尋ねたら「プライベートで狩猟もしているんですよ」と仰いました。なるほど、納得です。

同じ風景、同じ道を歩いていても、どういう眼で物を見ているかで全然物の見え方が違うんですね。逆に言えば、違う物の見方ができるようになれば、同じ場所でも楽しみ方が何倍にも増えるということです。さらに、大人の目線と子どもの目線も組み合わせれば…いやあ、まだまだ森にはたくさんの楽しみ方がありそうですね。

                                        MARU

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