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2010年2月 5日 (金)

ノウサギの糞を探して

昨日2月4日(木)は遊林会「木ままクラブ」活動日。参加者はスタッフを含めて5人と少数でしたが、昨日も今シーズンにナラ枯れで枯死してしまった木を1本伐採しました。午後からはその木を早速薪割り機で割ったのですが、ナラ枯れの原因といわれるカシノナガキクイムシが開けた穴がいっぱい開いていて、たくさんの幼虫が出てきました。

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↑ ウネウネと出てきている小さな幼虫がカシノナガキクイムシの幼虫です。この写真だけで4匹写っています。

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↑ この写真には幼虫は写っていませんが、黒い筋や穴がカシノナガキクイムシの坑道です。写真の中で「E」のように見える坑道の3箇所の先端部分は、おそらく親が卵を産みつけた場所だと思います。

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↑ 昨日の薪割りでは、一番左側の小さなカシノナガキクイムシ幼虫のほかにも2種類の幼虫が出てきました。おそらくカミキリムシの幼虫だと思いますが、何のカミキリムシなのかは分かりません。薪割りをしていると、例によってジョウビタキが幼虫を催促しにきたので、この写真を撮ったあと近くの土の上に放っておきました。今日の朝来てみると、既に幼虫の姿はありませんでした。幼虫が自力で逃げたとは思えないので、あのジョウビタキが食べたのでしょうか?もしそうなら、右の幼虫はさぞ食べ応えがあったことでしょう…

さて本日2月5日はとても寒い一日でした。空は晴れていたのですが空気がとても冷たく、思わず肩がすくみます。しかし今日もまた、ノウサギの糞を探して森の中を歩き回りました。

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↑ 残念ながら本日もノウサギの糞は見つからず…。 しかし、ノウサギの食痕らしきものを見つけました。ノウサギはするどい前歯で草をかみ切るので、カミソリで切ったような切り口になるそうですが、このジャノヒゲの葉はそんな感じです。これまでにもこうした食痕は森のあちこちで見つかっているのですが、保全作業の際の草刈りや機械刈りで刈った際にも同じような切り口になるので、正直どれか分からないのです。今日見つけたのは、絶対ここで草刈りはしていないという場所で、しかも人間が刈ったように隣の葉もすべて切り口がある、という具合ではありませんでした。だからといってノウサギの食痕だと確信できませんし、もっと重要なのは常緑多年草のジャノヒゲの食痕は、最近食べられたものかどうかの判断もしにくいということです。見る人が見ればわかるのでしょうが… 結局、今ノウサギが森に来ているということの確証はつかめませんでした。

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↑ 先ほどの食痕の周囲を探索していると、あちこちに獣道らしき筋が見つかるのですが、そこで見つけたのがこれ。カラスの死体の一部です。近くにはむしられたようにハネもちらばっていました。すぐに思いつくのは、キツネが食べたのではないだろうかということですが、それすら想像の域を出ません。

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↑ ノウサギの糞を探して森の中をゴソゴソと動いていると、たまに「おっ!」という物を見つけます。こちらカラスの死体の近くで見つけた、花が終わってタネも飛ばしたあとのウバユリの茎。2本生えていて、手間の方にはタネが入っていませんでしたが、奥の方に写っているウバユリにはまだタネが入っていました。

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↑ そのタネをいくつかもらいました。ウバユリのタネには周りに薄いハネがついています。この写真を撮るときに屋外で撮ろうとしたら、ちょっと風が吹くとすぐに散ってしまったので、やむを得ず室内で撮影しました。

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↑ まだタネが残っていたウバユリを真上から撮影してみました。ぎっしりとタネが詰まっています。『花からたねへ』(小林正明 全国農村教育協会 2007)によると、ウバユリのタネはその形から想像できる通り風で散布されるタイプと記述されています。しかし、撮影中このウバユリがゆらゆら揺れるくらいの風が吹いていたにも関わらず、タネは一枚も飛んでいきませんでした。先ほどのタネのクローズアップ写真を撮る時にはちょっと吹いただけでも散っていったのに… そこで『花からたねへ』をさらに読むと、次のような記述がありました。

「ウバユリやタカサゴユリの果実は太い茎の上についている。花が咲いているときは子房は横向きだが、成熟した果実は(中略)上を向いている。そして果実の裂け目は上向きである。果実はやや強い風でゆれ、種子が果実の裂け目から飛び出す。太い茎や上向きに開口するのは強い風のときにだけ飛ばす植物の工夫といえる。」

なるほど。少しの風で少しだけ飛んで親の株の近くにタネを落としても仕方がないということでしょうか。しかし、ウバユリが周囲に木などが無く強い風が吹く草はらのような環境に生育しているならともかく、実際にはこの植物は背の高い木や竹に囲まれた林の中に生えています。そこを風が強く吹き抜けるのをひたすら待っているのでしょうか?

私は今まで一度も、ウバユリのタネが風で飛んでいくのを見たことがありませんが、考えてみれば今日もこのウバユリのタネの「入れ物」を撮影するほんの数分しか観察していないわけです。そう思うと、確かにウバユリはいつか林の中を吹き抜ける強い風を忍耐強く待っているのでしょうね。すごいなあと感心します。

風で飛んでいくウバユリのタネは一度も見たことがありませんが、他の理由でこのタネが大量に飛んでいく様子は今まで何度も見たことがあります。それは、森の中で作業をしている人や遊んでいる子どもが、そこにウバユリがあると気づかずに体にひっかけてしまい、大きくしなった太い茎が人の体から解放された瞬間に、先端についたタネの「入れ物」から投石機のように大量のタネが舞い散る様子です。これは見事な様子です。

確かにウバユリは強風を待っているのかもしれませんが、案外、人や獣が意図せず茎をひっかけた結果大量に散布されるというのも、この植物の種子散布の一手段かもしれませんね。2つ並んだウバユリの一方のタネの入れ物が空っぽだったのは、もしかするとさっきカラスを食べたキツネ?が体にひっかけたのかもしれませんよ…

                                        MARU

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